倉頡輸入法 参考情報
【倉頡輸入法とは?】
中国語の入力方法のひとつです。
漢字をパーツに分解して入力します。
省略規則がありますので、簡単な漢字でも、どんなに難しい漢字でも、
一つの漢字は1〜5打に分解されます。
(実際には、漢字の確定動作(スペースキーや数字キーなど)がありますので、
一つの漢字を2〜6打で打つことになります。)
ソフト等の対応状況にもよりますが、以下で私が紹介するソフト「倉頡平台2012」(中国語サイト)では、
簡体字と繁体字のどちらも入力できます。
ちなみに、倉頡輸入法の「倉頡」
(「蒼頡」とも書かれますが、入力方法を指すときは「倉頡」が広く使われているようです。)
とは、「漢字を発明したとされる古代中国の伝説上の人物。」(2015.11.7時点 ウィキペディア日本語版「蒼頡」から)
だそうで、「輸入」とは、「入力」を意味する中国語です。
倉頡は英語でCangjieですが、倉頡輸入法は英語ではなぜかChangjie input methodと書かれていることが多いようです
(Cangjie input methodとも書かれます)。
【こんな方におすすめです】
- 中国語を学習する方
- 中国語を入力(タイピング)したい方
- 日本語の漢字を、ちょっと変わった方法で打ちたい方
- 漢字入力方法の一種である、連想式漢字直接入力のひとつとしてマスターしたい方
- 漢字検定 一級、準一級の学習をする方
意外に便利だと思ったのが、最後の用途です。
一級、準一級の漢字は、読みのひらがなを変換しても、漢字が出てこないことが多い(^^;
そこで
- 「(読みのひらがな) 一級」などでウェブ検索
- 漢ぺき君で検索
といった方法を使ってきましたが、倉頡輸入法が身につくと、知らない漢字でも
漢字の形を見ながら入力できますので、たいへん便利です!
【倉頡輸入法のバージョンについて】
倉頡輸入法には、いくつかのバージョンがあり、
バージョンによって、同じ漢字でも入力方法が異なるものもあります。
2015年現在、最新のバージョンはversion 6のようですが、
広く使われているのは、version 3とversion 5のようです。
中国語では、「三代」や「五代」などと書かれます。
三代と五代の見分け方について、ひとつ例を示すと、
「非」という漢字は、三代ではLMYYY、五代ではLMSYとなります。
【倉頡輸入法のソフトについて】
Windowsであれば、言語バーを右クリック→設定から、
全般タブで「追加」をクリック
→(例えば)中国語(繁体字、台湾)の左の[+]をクリック
→キーボードの左の[+]をクリック
→「ChangJie」や「New ChangJie」を追加
とすることで、倉頡輸入法で入力することができます。
ただ、以下の点で、筆者は使い勝手が悪いと感じています。
- 入力候補が表示されない。初学者には厳しい。
- コンマ「,」や句点「。」で入力される文字が独特(半角になっている?)
なためか、typeracerなどのタイピング練習サイトで正しく認識されない。
- 同キーで別の漢字(たとえば、「日」と「曰」(どちらも「A」)や「己」と「已」(どちらも「SU」))
の打ち分けができない!?(私が方法を知らないだけかもしれませんが。)
- 見づらい。
そこで、以下の2つのソフトをご紹介します。
(その1) 「倉頡平台2012」(中国語サイト)
- 私が使用しているソフトです。
(以下、倉頡輸入法のキー入力方法は、このソフトを前提とします。
また、バージョンはこのソフトの初期設定である五代を前提とします。
別のソフトやバージョンの方は、適宜読み替えてください。)
- 「二代、三代及五代倉頡」、「中文繁體/簡體/英文版 32/64 bits Win 7/Win 8/Vista/XP。」
に対応(サイトから)。ただ、私の環境(Windows 7 64bit 日本語版)でも、問題なく使用できています。
- 入力候補が表示される。初学者にも優しい。
- コンマ「,」や句点「。」が左のように入力され、
typeracerなどのタイピング練習サイトで正しく認識される。
- 同キーで別の漢字(たとえば、「日」と「曰」(どちらも「A」)や「己」と「已」(どちらも「SU」))
の打ち分けができる。
- 見やすい。
(その2) 「快速倉頡輸入法」(中国語サイト)
- バージョンは、上記サイトは五代です。六代もあるようです。
- 通常の倉頡輸入法は、漢字を1〜5打に分解するところ、
こちらのソフトは、1〜3打に分解するようです。
- マスターすれば、通常の倉頡輸入法より高速入力ができそうです。
ですが、3打までに圧縮している分、同じキーの組み合わせで別の漢字
が多くなるため(上記サイト内の例示)、高速入力のためには、大量の暗記が必要になりそうです。
- 暗記が苦でない方、とにかく高速入力したい方にはおすすめです。
(当サイトの説明には使用しません。)
【倉頡輸入法の辞書サイトについて】
(その1) 調べたい漢字 1字を調べるサイト
(その2) 漢字の一覧を載せているサイト
- Wiktionary Index:Chinese Cangjie(英語サイト)
アルファベット別になっており、例えば「A」をクリックすると、
Aで打ち始める漢字の一覧が確認できます。
- 倉頡之友(中国語サイト)
上で紹介したソフト「倉頡平台2012」と同じサイトです。
例えば、表のなかの「第五代倉頡通用版原始碼表(UTF-8)」の左にある
「馬上下載」からダウンロードできます。
(「下載」は、中国語で「ダウンロード」のこと。)
中身はテキストファイルなので、必要なら拡張子 .txt をつけて、
メモ帳やサクラエディタなどの適当なテキストエディタ等で閲覧できます。
上記Wiktionaryには、「Cangjie data was taken from www.chinesecj.com with permission.」
とあり、おそらくWiktionaryのデータの大元になっているサイトです。
【倉頡輸入法の学習サイト、情報サイトについて】
【倉頡輸入法のソフト「倉頡平台2012」の使い方(簡略版)】
- 準備
上記サイトで、「下載外掛版本:」からソフトをダウンロードする。
(内置版本がインストール版、外掛版本がインストール不要版らしい。)
必要に応じてウイルススキャン。
ファイルの解凍(、インストール)
- 起動
yong.exe を起動する。
タスクバーのアイコン「倉」をクリックすると、「倉」アイコンが赤くなって使えるようになる。
Ctrlキーで、英と中(直接入力と倉頡輸入法)の切り替え。
再びアイコン「倉」をクリックすると、ソフトを一時的にオフにできる。
- 終了
タスクバーのアイコン「倉」を右クリックして、「退出」をクリックする。
【倉頡輸入法 入力方法について(簡略版)】
- 漢字のパーツ分けは、リンク集のサイト下部画像などを参考に。
- 打ってみよう!漢字の確定は、スペースまたは数字キーで。(候補の11番目以降には、PAGE DOWNキーで移動できます。)
(例)日:A 月:B 昌:AA 晶:AAA 朋:BB 明:AB
- 既成観念にとらわれない。
(例)目:BU(月+凵とみる) 馬:SQSF 春:QKA
- 基本的には順番(上から下、左から右、外から中)に打つ。
(例)生:HQM
ただ、より多くカバーできるパーツがあるときは、そのパーツを使う。
(例)午:OJ(HMJではない!)(←この字は、変換候補にあるとおり、数字の2キーで確定します。)
- 1打で打てそうな漢字でも、基本漢字以外は、わざと分割して打つ。
(例)士:JM(パーツ表では 士:G とあるが、Gだと基本漢字の土になってしまうので、十一と分割する。)
(例)七:JU(パーツ表では 七:P とあるが、Pだと基本漢字の心になってしまうので、十凵と分割する。)
- 省略規則! 漢字が上下・左右・外内で、大きく分割できるかどうかによります。
- 整体字(分割しない字):4打以上の漢字は、第1打、第2打、第3打、末打を打ちます。
- 大きく2つに分割される字:
分割の1つ目は、第1打、末打を打ちます。
分割の2つ目は、第1打、第2打、末打を打ちます。
- 大きく3つ以上に分割される字:
分割の1つ目は、第1打、末打を打ちます。
分割の2つ目は、第1打、末打を打ちます。
分割の最後は、末打を打ちます。
- 以下のように、(パーツ分けの省略形とも理解できますが)決まった打ち方をするものもあります。
門:AN 隹:OG 鬼:HUI
- Xキーは、以下のような、限られた難字(パーツ分けが煩雑な字)を打つときに使います。
(例)臼:HX 卍:NX 齊:YX 身:HXH 鹿:IXP 慶:IXE 肅:LX 淵:ELXL 黽:RXU 龜:NXU
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